
働き方改革の第一歩は、ひとりひとりの能力アップから
「働き方改革って人材育成とセットですよね?」
研修の現場で、ある時、受講者の方からこんな疑問を受けました。
どういう意味かと伺うと、このようなお答えでした。
- 働き方を改革するということは、生産性を上げるということ(仕事の量は変わらないが、急に人を増やすわけにはいかないので)
- そうなると、ひとりひとりの処理スピードや成果の質を上げることが、最も働き方の改革につながるのではないか
- だから、人を育てなければ、働き方改革は絵にかいた餅で終わってしまう
「頑張る」を変える
「働き方改革」「女性活躍推進」。数年前から、こうした言葉をよく聞くようになりました。
2029年には日本の生産年齢(15~64歳)の人口は7,000万人を割る、という推計(*1)も出ており、人口がどんどん減っていきます。それでも今のような豊かな暮らしを保とうとするなら、今いる人間がこれまで以上に頑張らないといけませんから、これはとても自然な方向性だと思います。
しかし、この「頑張る」は高度経済成長期の「頑張る」とは質が異なります。「24時間働けますか?」を格好いいものと捉える時代は、もう終わりました。
できるだけ短時間で最高の成果を出す。そうして生産性を向上させることで時間に余裕を持つことができ、プライベートも充実させられる。そんな、「健康で幸せな生活」が、現代で働く私たちが目指したい姿です。
*1 国立社会保障・人口問題研究所(IPSS) 日本の将来推計人口(平成29年推計)
生産性を高めるアプローチ
労働時間を減らしつつ成果を増やそう、となると、2つのアプローチが考えられます。
1つは、ITの活用や作業の自動化など、ハードの面。
もう1つは、仕事で使う能力を上げることです。
人とどう話すか、どう動かすか。問題をどうやって解決するか。こうした個別の要素も、生産性に関わってきます。
たとえば、メール。
「メールを受け取ったが、何を依頼しているのか意味が分からない」という経験は誰しも一度はあるのではないでしょうか。
そんなメールが来ると、依頼に対応する前に、メールなり電話なり、相手の意図を汲み取るためのコミュニケーションのひと手間が増えます。そうやって確認した分、作業に着手するまでに時間がかかっている、ということになります。
たとえば、会議中。
「それ、一言で言えるんじゃないかな?」と思うようなことをやたらと長く発言する人、時々いますよね。(みんなイライラしていても、なかなか指摘しづらいものです)
その話の長い人の”おかげ”で1時間で終わる会議が1時間半になったとします。延長時間だけを見れば30分のロスですが、もし参加者5人いたとしたら、合計で2.5時間分のロスになってしまいます。
誰もが手短に発言する能力があれば、会議はサクッと短く終わるのです。
即日能力アップを目指した1Day 研修
このように、1つ1つはちょっとしたことでも、それが集まると相当な時間を費やします。そして、それらの問題は、知識・スキル・態度のいずれかです。この3つは、「知っている」「できる」「しようと思う」と表現できる領域なので、研修でカバーすると相性がよいタイプの分野です。
しかし、この時代、多くの方から研修に対して「できるだけ短く!」「できるだけ具体的かつ実践的に!」という要望をいただきます。
これまで以上の成果を求められる今、研修は受けたいが、できるだけ短い時間で学びたいと考えるのは当然のご意見です。また、限られた時間だからこそ、「明日からすぐ使えるような何かを持ち帰りたい」との思いも多く寄せられます。
「私の仕事上の課題を何とかできるもの」。そういうコースが作れたらと思い、1Day REAL 超実践!シリーズを開発することにしました。
2018年は、すぐに現場で活用できるビジネススキルを1日で学べるシリーズを続々発表予定です!ご期待ください。
能力を上げるには、実務経験も大事ですが、学習機会を設け、その学びをすぐ実践に活かすことも大事です。ぜひ研修をうまく利用して、効率的に生産性をアップしてください。